釣師への回帰


釣りを仕事で行うことはある意味自分の釣りを捨てる事にもつながる。釣りそのものが
誰か他の人のために行われる事になるからである。なかなか難しい選択を度々迫られ
その都度自分をごまかしつつそれを行う事になる。仕事という言葉で帳消しに出来るほど
素直ではない。で、あいも変わらず磯に行く事になる。しかも、同じ磯にいくのである。
理由は前回自分が納得できなかったからである。


事の発端は新名君との出会いである。ショアーの御曹司貧乏ショアーキャスターの
代名詞的存在である。彼は気骨のある男である。ただ人を信じない変なところもあるが。
ショアーの釣りで彼との釣行は楽しい一緒に釣ってて自分は自分の釣りというスタンスが非常に
良い。結果がどうあれ自分の世界を構築できる釣り師は今の時期希少な存在である。
彼のルアーは個人的に棒ルアーと呼んでいるが基本ミノージグである。それのバリエーションで
市場に展開しているあたり面白い。アルミジグを昔作ったがあれとジグミノーの合体したみたいな
機能である。そこそこ釣れるが全てにベストではない。しかし、面白いほどつれる時もある、。
オーストラリアでバラマンディがいれぐったりしてその効力は折り紙つきである。
五島ではその効力はあまり発揮されなかった。魚の活性や。磯の形状の問題が有るのである意味
仕方が無いところがある。ただこのルアーの釣法には釣りの鍵が眠っていた。私はもう少し
このルアーにおける釣りをやって見たいとおもったのである。それにこのルアーの生まれた場所での
釣りもやってみたかった。

事の発端は初夏に行ったところから始まる。彼の言う釣りを見てみたかったのがまず
台風一過の南薩摩へといってみる。というかばば荒れである。通常佐多にはヒラ釣ではなく
青物釣で行く事が多い。ここははっきり行ってバクチ的要素も高く行っても「しらーッ」とボーズの可能性も
高い場所である。しかしいつ行っても見た目魚は釣れそうな場所である。


昼までなーんにも当たらず、カップめんとバナナを食べて昼一発にヒットしたが岩化けの術を使われて
魚の特定もならずに終わってしまった。またまたチンパンを結んで1投でヒットした。がくがくした
引きから青物らしいとは思ったがやはり青物である。最初のよりは軽くあがる。



続いて新名君もヒット。更に小型である。私はというと撮影後またもや型のいいのがヒットしたが手前のいやらしい
スリットで2回もやられてしまった。新名君も同じスリットでブレイクである。うーんこのパターンはタックル選定ミス
という感じがにおいすぎる。居残ろうと思ったが福岡で仕事のため一時帰還である。
それから多少気にしつつも一ヶ月が経過梅雨本番での南下であった。今回はリールとロッドがチットパワーアップして
いるポセイドンの11ftとソルティガである。巷のポセイドン11は柔らかいのだが私のは何故か硬い。???
わざとではないので仕方が無い文句はメーカーに言って欲しい。話は戻るが。雨、雨雨なのである。


しょうがないのでふて寝して雨をしのぐ。鹿児島2人組は雨の中がんばって釣りしているのである。
女に遭いたければそういうところ魚を釣りたければそういうところというのは当たり前である。では
昼寝をしている私には当然何も起こらない。

ネリやヒラセイゴがパラパラとヒットしたらしい。車で気持ちよく寝ていた私を親切に起こしに戻ってくれて
土砂降りの雨の中釣をすることになる。まあ一旦濡れたらやるしかない。カマス君やその他の雑多な魚と
遊ぶ事になる。付近は土砂崩れだらけで水色も悪いこれで梅雨スズキが釣れるならいいのだがまーったく
釣れない。

というか昨日遊んだのが悪かったのである。昨日晴れていたにもかかわらず虹鱒つりに行ってしまった。
新しい79の調子見たさに大きな虹がつれるという話にすっかり乗ってしまった。


入渓してしまうとそこはそれ人間が変わるのでグングン上ってしまうのである。
これがまた変わったやつらでスピナー大好きと来てるのである・確かにミノープラグで
釣れないことは無いが確実に追いが違う。ブラウニーよりパンサーマーチンなのである。つまり
ネイティブでないのでよりゾーンとスピード設定が違ってくるという事であろう。
思い通りにあんまりつれないのが納得行かないけどまあいいだろう。鹿児島でまさか渓流釣り出来るとは嬉しい限りで
ある。冬にきたらもっとでかいかも。79はかなりいい感じでグリップが短くなった分トップが長くなっているので
より扱いやすいおまけに硬くなっている。

というわけで前日をつぶしたお陰で今雨の中取材に来る羽目になっているのである。そんなドアホウな我々を
あざ笑うかのように魚は釣れないのである。しかし、真面目にやっていると何らかの山場はやってくるものである。
というか新名君が案内してくれているので良い場所で釣っているのは間違いない。



でどうしたかというと針が伸びてジャンプでばれた。・・・。最悪「下手くそ」。何とでも言われて結構である。
「ヒラスズキにこんなシャバイフック付けんな!!」。「俺これで伸びた事無いです」。「今見たろ!」。てな具合で
後の祭り的会話が繰り返されたことは言うまでも無い。仕方が無いので美味いとんかつでも
食い倒れて帰りましょう。という事になって鹿児島方面へ。皆が布団ですやすや眠る頃私はというと
車でグーグー寝る事になる。翌朝やっぱり雨が降っている。

しかし目が覚めるようなブリのボイルがダラダラと続きテトラを走ってはキャストを繰り返す幸せな不毛な時間を
延々と費やし福岡に帰ることになった。