皆さん、はじめまして!
FCLLABOスタッフの岡谷玄太と申します。
お盆休みに北海道は知床半島に行く機会に恵まれ、
シーズンを迎えたカラフトマスを追いかけて来ました。
そちらの模様をレポートしたいと思います。
毎年7月下旬から9月中旬にかけて産卵の為に川を遡上するこの魚ですが、
他の鮭類に比べ “ 母川 ” への執着が薄いという特長がございます。
従って産卵条件を満たす川であれば生まれた川でなくとも、
用水路程の幅しかない川でも果敢に登っていくのです。
探し甲斐のある魚ですよね?
-初日-
先ずは航空写真と睨めっこして、目星を付けておいた川の河口で竿を出すことにして
相方と二人、車を走らせた訳ですが知床の朝は九州よりも早く
午前4時にはすっかり明るくなっていまして、、、(笑)
釣り場に着くと、既に先行者の方々が賑々しく釣りをされておりました。
私達も少し離れた場所で釣り開始です。
、、、。
、、、マヅメは時が経つのが早いですね(笑)
竿を出して2時間程経ちましたが回遊は見られず。
沢山いた先行者もほとんど帰ってしまいました。
しかし相手は遡上魚。
餌を捕食する為ではなく、遡上の為、または真水に体を慣らす為に河口に回遊してくるので、
潮位や川の水位の方がマヅメより重要と自分に言い聞かせて焦りを鎮めます(笑)
そして潮位が上がり始めた時、対岸の釣り人にヒット。
しかし群が小さいのか後が続きません
暫しの沈黙を破ったのはなんと相方!(笑)しかし直ぐにバレてしまう。
驚いたのはヒットした場所。
岩礁帯の中にある車1台分ほどの溜まりで水深は30〜50センチ程。
よく見ると昆布の中に背ビレがいくつも、、、
その溜まりの出口付近にSPPSlim65を通すと1匹が猛チェイス!
食うかと思いきや体当たり!(笑)
そしてルアーをお尻につけたまま猛ダッシュ!
ちゃんと口に掛かれば同サイズのヤズくらいの引きなんですが、
スレ掛かりだとビックリするほど走るし群も散らすしよろしくありません。
初のカラフトマスはスレ掛かりという後味の良くないものでしたが取り敢えずキャッチでき一安心。
60センチ超えのメス
その後も体当たりによるスレが2回続いたので釣り方を変えることに。
川からの流れの中をHRTM100Tでドリフトさせながらチョンチョン誘うと
“ ゴスッ ” とヒット!
やっと口を使ってくれました(笑)
55センチ程のメス
背中の青さと鱗の脆さからフレッシュな群の魚と思われる。
撮影している間に群が遠退いたのか気配が消えてしまったので、
一度上がり夕方の満潮に別の河口に入ることに。
移動中、道路脇にはエゾシカの家族。
ここでの優先権は、彼等に在る。
川を覗くと…!!
※河川内での鮭、マスの採取は原則禁止となっております。
ポイントに着くとそこは既にマスだらけ!
相方は定番のスプーンを使い1投目からヒットさせ、立て続けに2本キャッチ!
セッパリの出はじめたオス、、、カッコイイ。
そして私にもヒット!
ミノーをガッツリ咥えて激しくローリングジャンプを繰り返すナイスワン!
しかしランディング寸前のジャンプで痛恨のリーダーブレイク。
20ポンドのフロロリーダーは縮み上がりネジ切れていた。
私のバラシのせいであっと言う間に群は去ってしまった、、、
それから30分位たった時、流れのヨレに背ビレを発見!
そっとミノーを流し込んで行くとヒット!
しかし、、、またしてもスレ掛かり。
スラックを取る程度のリーリングだったが体当たりして来たのか、嫌がって逃げようとした際に引っかかったのか…
小振りなオス。
初日はズレを修正できないまま終了しました。
-2日目-
接近している台風の影響か朝から土砂降り。
波と風はさほど無いですが、激しい雨と川からの濁りで釣りにならないので
少しゆっくり起きて、買い出しや食事をする事にしました。
番屋風の雰囲気のいいお店。特大の鮭とホッケの定食がとても美味しかった!
一旦、斜里の街に出て買い出しを済ませ半島に戻ると、雨は止んでいました。
濁りの取れやすい川の河口なら何とかなるかも!という事で探してみる。
こういう場合はダムや堰などが少ない川ほど、細かい砂利や砂が体積しにくく濁りにくいので、
それを目安に探していきます。
急峻な地形で河口まで大きな岩が多く、幾分濁りがキツくない場所を見つけ竿を出してみることに。
そこには沢山のマスが集結していましたが、シケのせいかステイする時間が短く
中々バイトに持ち込めない、、、ので!
キャストの手を止め、群れごとに違う回遊ルートや溜まりでステイするタイミングなどを観察します。
、、、河口から少し離れた岩裏のヨレで長めにステイしているよう。
そしてステイした群の前にSPP75を通した時でした。
波でルアーが持ち上げられ飛び出しそうになった瞬間、下から2匹が奪い合うようにバイト!
デカい方が掛かりました。ツイテル(笑)
激しく抵抗しますが波に乗せてさっさとランディングします。
今ので少し見えて来ました。
「 カラフトマスは表層をスローが基本 」が、セオリーですが
自分がイメージしていた” 表層 ” と ” スロー ” より
もっともっと表層でスローなんだと(笑)
ピンポイントで止めやすいリップ付きのミノーも使える。潜らせないよう注意!
調子が良くなってきて、ここから本番!
、、、というところで、また雨が激しくなり納竿。
冷え切った体を温泉で温め、翌日に備えます。
-最終日-
少し早めにポイントに向かうため薄明るいゴロタ場を歩いていると
山から何か降りて来た、、、!!
とっさに身構える
キツネでした、、、ビックリしたやんか!!(笑)
駐車場で物乞いする者もいれば、自力で食料を探す者もいる、、、
どっちが良いか悪いかなんてないんかもしれん
みんな生きることに必死なんや
でも餌付けはいけません。(苦笑)
キツネに手を振り、ポイントに到着!
昨日までの波はおさまり、川は濁りもなく水量だけが増えた最高のコンディション。
いくつもの群が集まっていました。
手前の群は完全に遡上体勢!
全く見向きもしません(笑)
ならば!と30メートル程沖側に見える背ビレ目掛けてSPPSlim80Fをキャスト。
一旦ダイブさせて水を噛ませ、水面の皮一枚下をドッグウォークさせながら引くと
カッ飛んで来てヒット!
全身を曝け出してのバイトにシビれる。
上がってきたのは銀ピカの雌
魚はヤル気満々!
こうなると色んなルアーで釣りたくなる(笑)
CSP55SP−Fに太軸のフックを付け水に絡めやすくして、
小刻みなトゥイッチを加えながら引くとスグにバイトしてきました!
激しいジャンプとは裏腹にどっしりと重量感のある雄。
今度は流れ込みの流芯をシェイキングしつつ流すと金属的で硬いバイト!!
力強い走りと鋭い切り替えし、遡上魚らしいスタミナを見せ付けてくれたのは
最高にカッコイイ雄でした。
背中が盛り上がり、鼻が落ちた是ぞカラフトマス!といった魚体
その後もヒットは続き、、、
小刻みなシェイクで移動距離を抑つつ浮かせる。
浮かせやすいようにタコベイトを付けてみたり
見惚れてしまう魚体
小振りながら、厳つくカッコイイ雄
優しい顔つきの雌
マスが離れるとコイツがガヤガヤ…ガヤメバル(エゾメバル)
尾鰭の模様がまたカッコイイ
霧雨が大粒の雨に変わり…昼過ぎに納竿!
知床の夏を堪能しました。
この数日で改めて痛感したことは
” 先入観や概念ほど邪魔なモノは無い ” という事です。
頭をニュートラルにして広い視野でキョロキョロする事で意外な発見があり
結果に繋がっていくと感じました。
・水面下約5センチ
・デッドスロー( 移動距離 少 )
・魚の鼻っ面を通し苛々させる
今回はこの3つが口を使わせる為のキーでしたが
場所やタイミング、群が違えば上記の3つも既成概念になり新しい発見の邪魔をする可能性もある。
固執せず引き出しの一つとして持っておくのが良いと痛感しました。
ドタバタでクタクタになりましたが、自分達らしい旅が出来ました!
いつか再び愛車のカブにまたがって来たいですね(笑)
知床はヒグマの高密度生息地
今回は何事も無く無事に帰って来れましたが、、、ここは知床。
この半島の中だけで300頭以上ものヒグマが生息していると言われています。
ここは彼等のナワバリであり、家。
知床に限らずですが、
知識と意識を持ち、しっかりと対策をして自然と向き合っていきたいですね!
素晴らしいロケーションの中で最高の魚達にいつでも会いに来られるように。
使用タックル
・スタッフ岡谷
ロッド : UC73T、70proH
リール : イグジスト2508、ストラディックC3000
ライン : PE1、1.5号
リーダー: 20、25ポンド( フロロ )
ルアー :
HRTM110YS、100T
HKTM85
SPPmini75、SPPSlim80F、65
CSP55SP−F
・相方
ロッド : UC79ft
リール : エクセラー2500
ライン : PE1号
リーダー : 25ポンド( フロロ )
ルアー :
SPPSlim65
CSP55SP−F
スプーン 5〜17グラム
台風の合い間をすり抜け、日常へ、、、。
飛行機飛んでホンマ良かったぁ(笑)