ヤマメ修行
ヤマメの塩焼きが食べたくなった。そういえば若いやつらと一緒に行く約束をしていたことを
思い出す。この年にしてヤマメが釣れる日と釣れない日ぐらいおおよそわかるわけだが
釣りという趣味としてして向き合うと天候によって中止や延期などというなまっちょろい言い訳は
通らなくなる。そこに行って竿を振ってドラマが完結する必要があるからである。
この気持が意味の無い結果を生むと判っていても行かねばならないといいうのは
辛いものがある。


実は九州のヤマメ釣りに関してはあまり宜しくない状況になっている。
高校生からヤマメ釣りを始めて約30年この釣りを見てきて思うことは
ヤマメ釣りに関しては漁業事業の一環としては破綻しているところばかりという感がある。
昔は必ず観察売りの人間と会いもしていたし自らも鑑札を買っても何の問題も無いほどの
状況であったが。いつの頃からかヤマメとは幻の魚になっている。
県からの補助金をもらい我々からも入漁料をとっていったいどこにどれだけ入れているのか?
魚は年々釣れなくなり鑑札を買うことにすら疑問を持たざるを得ない。
考える事は一つ漁業自体の事実上の破綻である。ここ五木村もダム建設で
その辺りが近年おろそかになっている感が強い場所である。

因みにヤマメっていくらで買うことができるか?
小さな稚魚なら1匹1円、15センチ程度の成魚なら100キロ12万程で買える。
これは素人が買っての事である。もし釣り人自らが釣りをするためにこれを行えば
きっと河川はヤマメで溢れるであろう。
でそんなカスカスの釣り場にして、こともあろうに突然の寒波の差し込んできた
雪降りの日に現地いりというのは一寸自分の正気は勿論
ガキ達の常識を疑ったのは言うまでも無い。

行きたくない病にかかっている私にして当然のように要領を考えつつ昼からの釣りにしてみる。
この時期特に寒い時期には朝一番等というのはおおよそ凶となるケースが殆どであり川底に日が当たる
昼時の釣りの方が分がいい。

そういえば昨年一昨年と河川の氾濫が続いて淵がなくなって歩きやすくはなったが釣り難くなった。人間が隠れる場所が無いし魚もそうである。

ロッジを借りて一泊して次の日ゆっくり帰るという方向でいこうと思っていた。結局食う程度には釣れはしたが
予想通りそんなに釣れるわけではない。むしろハンティングとしては最悪な釣果ともいえる。
ヒラキにいるものと落ち込みにいるものに大別できたが寒いためにかなりの回数を通さねば釣れない状況になっており
何時ものように5とうも投げれば十分などという状況ではなく15回程投げてみてやっとアタリが有るという状況であった。
心配なのは明日の朝ー1,5度の気温でどうやって釣るかという事である。貯水ダムの中で釣って日が上がってから
川を歩く方向で計画した。
ところでこのロッジ1泊500円は安いが今の時期は恐ろしく寒い。囲炉裏に火を入れてみたが排煙設備が今ひとつなので
燻製状態で非常に煙かった。

ブラウニー(青島バージョン)旧型を相変わらず使っている。この良さは使わないと判らない。

寝袋だけでこの寒さをしのげるとは思えず私は車で寝た。地球に厳しいとは思いつつ
全身に8個の貼るカイロを貼っていたにもかかわらずあまりの寒さにエンジンをかけた。
翌朝はなんと雪が舞っている状態寒い。ここは色々考えて風の影響が無い
沢に入って小型を10ばかりと岩魚を釣って帰る。サンバイザーに挿したバカ高い入漁証に目をやりつつ
次は絶対元とってやると思い直し暖かい雨を待つことにする。